自己満足ワールド

その名の通り、自己満足なブログです。

暇だからガンダムの話書いた3

暇だったので書きました

前の続きです

前のやつ

 

himagine2106.hatenadiary.jp

 

 

半年以上経ってるけど更新しました。

前書いた話よりは更新が早い。

みんなが「読んだよ♡」って言ってくれればたぶん週1とかで書きます。

俺の承認欲求を満たしてほしい。

――――――――――――――――――――――

 


マッチングするまでの間、俺と彼女の間に会話は存在しなかった。
俺はあまり人付き合いが得意ではない。もっとも、友達が一人も居ない、というほどコミュニケーション能力に障害を持っているわけでもないが。


彼女……プレイヤー名で呼ぶとして、ハンマー氏もおしゃべりなタイプでは無さそうだ。ちらりと視線を向ければ、スマートフォンをぼーっと見ている様子。
少しの間流れる気まずい空気……それを打ち破るように、筐体の画面に変化が訪れる。

CAUTIONと文字が表示され、画面が暗転する――

「マッチングしたみたいですね」
俺はハンマー氏に声をかける。
「あ、はい。 頑張りましょうっ」
ぐっ、と両手の拳を握りしめるハンマー氏。なんだかあざといような気もするが……単に俺が女性に慣れてないせいでそう思うだけだろう。きっと。

「ええ、頑張りましょうか」
「どんな相手でしょうか……」

そして、画面に相手のペアが表示される。
階級は同じくらい……だが、8連勝。ノーネーム。これは……
(サブカード、か)

いわゆる雑魚狩り、と呼ばれる行為だろう。
階級が同じくらいの者同士がマッチングするというシステム……対戦ゲームではよくあるシステムだ。

そのシステムを悪用し、初心者を狩りに来ているプレイヤーだと容易に察せられる。
機体の構成はを確認すると……

「3000コスト、フェニックスガンダムと……2500コスト、デスパーダ」
高機動変形持ち万能機。そして、少し変わったオールレンジ武装を持っている前衛寄り低コストの編成だ。


Gジェネペアって感じですね」
さらりとハンマー氏が呟く。ガンダム系のゲームが好きな女性なのだろうか。機体選択のセンスといい、そういう面があるのだろう。

「あの編成を見るに、疑似タイマンからの減った方が先落ち……だと思います」
俺は思ったことをそのままハンマー氏に伝える。
「ですね、もしかしたらデスパーダ爆弾の可能性もありますが……」
ハンマー氏は頷きつつ、そう答えた。
爆弾の可能性まで考えている辺り、VSシリーズのセオリーなどは一通り知っていると考えていいかもしれない。


本当に右も左も知らないシャッフル勢を介護するよりは楽に勝てそうだ……相手のレベルにもよるが。


「どちらにせよ、疑似タイは避けた方が良さそうですね……っと、試合が始まりますね」

俺は画面に視線をやり、ゲームに集中する……

そしてハンマー氏は何気なく呟いた。

「……疑似タイなら望む所です」
「えっ?」
今、彼女は何を言って――
「始まりますよ」
「あ、ああ、よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」

先程の言葉の意味を確かめる間も無く、対戦が始まった。
通信ボタンを叩き、お互いに【よろしくお願いします】と通信を送り合う。
長年続いたガンダムVSシリーズでの儀式のようなものだ。

――今回の俺は低コストだ。
それも初めて組む相方の後ろでサポートする役割。
相方がどんな立ち回りをするのであれ、とりあえずは様子見をすべきだろう。
特に相手は前ブーストを多く踏んでくる相手と見える。

これは突っ込んでくる相手をいかに迎撃するかの試合になりそうだ……そう思っていた所だったが……

ハンマー氏の駆るザンスパインがフェニックスガンダムに突っ込んで行く。


(おいおいおい……)


ザンスパインは射撃寄り万能機だ。フェニックスもタイプとしては同じく射撃寄りと言える。
相手は元々初心者狩りをするようなプレイヤーだ、それも寒く立ち回るのではなく、攻めてきて破壊しにくるタイプのプレイヤーだろうと予想が出来る。
そんなプレイヤー相手に真っ向から前ブーを踏むとは……


(……地雷と組まされたかもしれないな……っと、こっちに来たデスパーダの相手をしなきゃ)

相手はどうやら、突っ込んでくるザンスパインをダブルロックするのではなく、それぞれ疑似タイマンをすると決めたようだ。
2on2による実力差での勝利よりも、手っ取り早く雑魚狩りをするのがお望みらしい。

(舐めやがって……)


確かにこちらは階級の低いカードを使っているから弱く見られて当然ではあるが、それでも気に食わない。


(理解させて“わからせて”やる……!)

――そして、高コ同士のタイマンと低コ同士のタイマンという形で、この試合は進んでいくことになったのだった。